先日、バリ島のレンボンガン島付近で日本人ダイバーが流されるというニュースがありました。初心者がドリフトダイビングを行うことはありませんが、レンボンガン島では体験ダイビングや初心者のダイビングも行われています。
私は元ダイバーで、基本的には休日に伊豆で潜っていました。海外のリゾートに行った時にも潜ることはありましたが、一緒に潜る人たちには疑問を持つことがありました。「リゾートでしか潜ったことがない」という方は、ダイビングの仕方を変えてほしいと強く願います。
リゾートダイバーが習得しておくべきこと
ダイバーは大きく2種類に分かれます。
- 休日には必ず潜る日帰りダイバー(ホームグラウンドを持つ)
- リゾートダイバー(奇麗な海とカラフルな魚にしか興味がない)
リゾートダイバーでもベテランはいますが、初心者のCカードしか所有をしていないブランクダイバーがほとんどです。少なくとも、私がリゾートで出会ったダイバーは、9割ほどの方がブランクダイバーでした。
日本人に多い傾向なのですが、ガイドはなんでもやってくれると勘違いしています。ガイドは基本的に海の中を案内するだけです!
リゾートダイバーにこそ習得しておいてもらいたいライセンスがあります。PADIのライセンスでお話しすると、最低でもレスキューダイバー程度の知識は必要です。
<レスキューダイバーとは?>
トラブルが発生してもすぐに対処できる知識を備えるとともに、 トラブルを未然に防ぐ能力を身につけ、さらに万が一の事故の際の救命方法までを学ぶのが、レスキュー・ダイバー・コースです。
(PADI レスキュー・ダイバー・コース)
日本人のガイドはわりと面倒見がいいですが、常に見てくれているわけではありません。少なくともバディ同士でトラブルを回避するくらいのことはできないと、最悪の事態に遭遇した際は海が荒れていなくても死に至ります。
海外のダイバーはバディダイビング(ガイドがつかないダイビング)が主流なので、自己責任という意識が非常に強いです。しかし、日本はダイビングが盛んであるにもかかわらず、ガイドが手取り足取りなんでもしてくれるという意識が強いと感じます。
リゾートでのダイビングでは、「ライセンスを取って以降、数回しか潜ったことがないという超初心者ダイバー」でも平気で中級者向けのコースに連れて行かれます。
- 器材のセッティングが曖昧
- 頻繁に残圧のチェックをするクセがついていない
- 水中でのコンパスの読み方が分からない
- 中世浮力が取れない
1つでも思い当たる節がある方は、せめてリフレッシュダイビングを行ってから参加してもらいたいものです。「リフレッシュダイビング」で検索すると、たくさんのダイビングショップがヒットしますよ!
時には潜らない選択も必要
リゾート以外で潜らない方は、海の状況がどうであれ「次にいつ潜れるから分からないから」と潜る以外の選択肢を持たないことが多いです。海外ともなれば二度と訪れない場所である可能性も高いですし、「潜れるなら潜っておきたい」という気持ちも分かります。しかし…。
潜らないという選択肢も持ってください!
連れて行かれるポイントがクローズになっていない場合、仮にダイバーに不安があったとしても、中止する選択を伝えなければガイドは海を案内します。海の状況が変化した時はガイドが中止を言い渡すこともありますが、潜れると判断した時はそのままツアーがスタートします(今回の事故は潮の流れが速いポイントで起きたので、回避が難しいと言えます)。だからこそ、どうしても潜れそうにない場合は、自ら中止を伝える勇気も必要です。
自然を相手にしたスポーツには危険が伴います。潜らない選択肢を選べば、いつかはまた潜るチャンスがやってきます。命を守るのはガイドではないので、自ら天候・海況・健康状態を判断してやめる勇気を持ってください。
リゾートで安全に潜るために
私がリゾートで出会ったダイバーのほとんどが、自分の器材を持っていませんでした。「たまにしか潜らないから」という理由もあるのでしょうけれど、こんなに恐ろしい話はないと思います。
自分の器材であれば頻繁にメンテナンスを行っています。レンタルよりも不具合が起こる危険性が少ないので安心です。
リゾートでより快適に安全にダイビングを楽しむなら、せめて命に関わる重器材はそろえてください。ダイブコンピューターも必須です。自分の深度や残留窒素すら分からないなんて、自ら死を選ぶようなものだと思いませんか?安くはありませんが、命には変えられません。
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