名作映画『レインマン』の舞台を観た感想@新国立劇場

ダスティン・ホフマンとトム・クルーズがW主演だった『レインマン』が、日本で二度目の舞台化になると知り、東京公演を観てまいりました。

  • レイモンド・バビット:椎名桔平
  • チャーリー・バビット:藤原竜也
  • スザンナ:安蘭けい
  • その他(複数役):横田栄司、吉本菜穂子、渡辺哲

(敬称略)

映画の公開は1988年なので、リアルタイムでは観ていませんが、社会人になってテレビ放送されたのを録画し、VHSテープが擦り切れるまで何度も観た作品です。数十回ではききません!

当時は高齢者の介護をしに、介護ヘルパーとして一軒一軒回っていたので、仕事に行き詰まった時に観ていました。人と人が完全に分かり合えることはないけれど、心に寄り添うことはできると教えてくれた作品です。私のバイブルでもありました。それが、生の演技で感じられるなら、ぜひ観てみたいと思い、迷わずにチケットを購入しました。

映画『レインマン』に忠実

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日本語の吹き替えのセリフは、ほぼ暗記しています。かれこれ10数年は観ていないのですが、ほとんど覚えていました。

映画を観たことがない方だと、最初の電話シーンは謎かもしれませんが、そこから忠実に演じていてビックリしてしまいました。

ところどころ、端折られている部分はありましたが、たったの6人で演じているところに驚きを隠せなかったです。いわゆる黒子のような役回りの俳優さんもいらっしゃったので、実際は6人ではないのですが……。

「ファーストはダレだ」「Kマートはダサい(舞台では○スに変更されていた)」「チャーリーとスザンナのラブシーンでレイモンドが邪魔をする」「落ちた爪ようじの数を一瞬にして当てる」「空想の人物であったはずのレインマンが兄のレイモンドだと知るシーン」「フィッシュフライを割るシーン」etc…

書き出したらキリがありませんが、細かいシーンが映画のシーンと重なって、脳がカオスな状態になっていました。

少ない人数の中で光る演技

2006年に、今回のレイモンド役でもある椎名桔平さんがチャーリー・バビットを、橋爪功さんがレイモンド・バビットを演じられています。これはものすごく想像がつきます。だからこそ、椎名桔平さんがレイモンド役であることに違和感を覚えていたのですが……。

椎名レイモンドが登場した時に、「ダスティン・ホフマンに寄せ過ぎかな?」と心の中で思っていました。ところが、話が進むに連れて、椎名レイモンドの個性が際立っていることがわかりました。

桔平さんの演技は、テレビでしか観たことがありません(しかも、過去の演技しか知らない)。失礼ながら、それほど演技が上手だと思ったことはなかったので、今回もそれほど期待はしていなかったのです。しかし、二度目のカーテンコールで感動しました。役になり切るってすごい事だなと。一度目はレイモンドで登場したのに、二度目は椎名桔平さんになっていました。単純ですが、一気にファンになりました(笑)。

私は、トム・クルーズが演じたチャーリーが好きなので、藤原チャーリーに入り込めないだろうと思っていましたが、やはり藤原竜也さんの演技にそんな心配は必要がありませんでした。彼なりに演じる心の葛藤や心理変化がしっかりと感じられて、もともと舞台作品だったのではないかと思うくらいの出来栄えでした。

脇を固める俳優陣も素晴らしかったです。目立ち過ぎず、主役を引き立てながら、それでも個々の個性をしっかりと演じ分けるという!演者が少ないからこそ、ストーリーの中ではそれほど重要ではなかった人物も、際立っていた気がします。

人間関係に疲れた人に知ってもらいたい作品

相手がコミュニケーションの取れる相手であっても、自分と他人が理解し合うことは不可能なことです。血のつながりの有無も関係ありません。その代わりに、相手の心に寄り添うことはできるし、目には見えない糸でつながることはできます。

頭では理解できても、行動に移すことは難しいのですが、その心の微妙な変化がリアルタイムで感じ取れる作品がレインマンです。

映画も素晴らしかったですが、生で感じ取れる息づかいや言葉遣いの変化が、舞台『レインマン』の良さだったと思います。

映像化されたら、絶対に手に入れたいと思いました。その前に、また映画を観返そうと思います。

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