ムサシ ロンドン・NYバージョンの感想【ネタバレあり】

故・井上ひさしさん作の『ムサシ』です。
演出は蜷川幸雄さん。

昨年に藤原竜也×小栗旬で上演されたこの舞台が、今年は藤原竜也×勝地涼でロンドン・NYで再演されるという事に!
昨年の舞台は観てないのですが、とても素晴らしい作品でした。

歴史に疎い私でも宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の戦いは知っています。
これを題材にしたフィクションなんですが、非常に面白かったです。

笑いが耐えない物語。
本当に素晴らしい!

そして、井上さんがこの作品に込めた想い…。
面白さの中に、世界中に伝わってほしい願いが込められてました。

蜷川幸雄三回忌追悼公演『ムサシ』の感想


武蔵と小次郎の戦いから時は経ち、生き延びた小次郎は再び武蔵に戦いを挑む。
その戦いを止めさせようと必死になる人達が。

止めようとしている事は最初から分かるわけではありませんが、徐々にそれが浮き彫りになっていく。
ゾクゾクしながら観ていました。

白石加代子さんの演技は圧巻ですよね!
周りを固める俳優陣(六平直政さん・吉田鋼太郎さん)の演技が光ります。

実は、この中で生きているのは武蔵と小次郎だけなのです。
その他の人間の正体は幽霊。
この人達の想いはただ一つ。

恨みの鎖を断ち切る

これなのです。
「殺し合いなどしてはいけない」とあの手この手で2人に伝えていく。

幽霊達は生前に生きていることに喜びを感じることなく生きてきた。
平凡でも生きている。
ただそれだけで幸せだということを亡くなってから気付き、成仏できないでいた。
そこにあの有名な2人が戦いをしに訪れるということを知り、この想いを伝える為に演技をした。

徐々に徐々にこの想いが伝わってきて、笑いながらも最後は涙が止まりませんでした。
ロンドン公演は既に終えられていますが、ロンドンとNYで上演されることに非常に意味があると思います。
そうは言っても、人は愚かな生き物だから争いや憎しみはなくならないと思いますが。

沢庵(六平さん)が説教する場面で、「三毒を持つ者は刀(武器)を持ってはいけない」と説きます。

欲張ること
怒ること
愚かなこと

これが人間の持つ三毒です。
要するに人間は刀(武器)など持ってはいけないのです。
この三毒はどんな人間にも備わっていますからね。

NYではどんな反応なのでしょう?
一番気になるところです。
ある意味世界を牛耳っている国ですからね。


藤原君の演技は実は上手だと思っていません(上手いと言う人は多いけれど※)。
でも、彼が醸し出す雰囲気はどんなに上手な役者さんでも出せないものだと思っています。
だからこそどんな舞台でも引き立つ気がする。
主役になる意味があるんですよね、彼には。

※2017年の時点では全く違う印象を持っております。

できる事ならもう一度この舞台は観たいです。
観たいけれど…。
貧乏なのが悔やまれます!(笑)
時間に余裕がある方はDVDで(約3時間ですw)、素敵な作品の内容を知りたい方は本で読んでみてください。

追記(2017年7月)

蜷川幸雄さんの三回忌追悼公演として『ムサシ』の再演が決まりましたね!今回は藤原竜也×溝端淳平の戦いです。Bunkamura シアターコクーン、彩の国さいたま芸術劇場の他、大阪と中国での上演も決定しています。笑いあり、涙ありの戯曲を、もう一度この目で確かめに行く予定です。

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